【書評】「嫌われた監督~落合博満は中日をどう変えたのか」
おすすめしたい人
本書はこのような人におすすめします。
「嫌われた監督」はこんな本
著者の紹介
鈴木忠平
1977年、千葉県生まれ。
2016年に独立し、現在はフリーで活動中。
著書には
「清原和博 告白」「薬物依存症」がある。
落合監督が嫌われた理由は?
秘密主義
落合氏が監督に就任早々、改革を一気に進める。
そのうちの一つが「ブルペンのカメラ撤去」。
テレビ放送の醍醐味でもある試合中のブルペンの様子が分からなくなる。
この行動はテレビ業界からの反感を買う。
その他にも「選手の怪我情報を公開しない」など、親会社がマスコミであるのに情報の遮断を徹底させた。
情報を外部に漏洩させた人物をチームから除外していくなど徹底的に秘密を守り通した。
冷徹な判断
プロ野球ファンなら誰しもが知っている日本シリーズの山井交代劇。
完全試合目前の山井投手をチームの日本一のために降板させた。
山井投手の血マメが潰れたからという理由ではあったものの普段からの不気味さが余計に賛否両論を生む結果に繋がったのではないだろうか。
また、暗黙の了解でもある「入団3年目までの選手の戦力外通告」についてもお構いなしで断行する。
このように冷徹な決断が多かったことも嫌われる理由の1つである。
まとめ
まず、この本を読んで一番に感じたことは落合監督は「プロフェッショナル」な人だと。
契約を全うするということが落合監督の行動の全てであった。
勝つことが最大のファンサービスとの考えで全てを行動する。
周囲の人のことを考えての行動ではないため誤解を生んでしまうが一緒に行動を共にしたものには、落合監督の考えが徐々に伝わっていることが読み取れた。
この本を読んでいると、落合監督のような上司がいれば部下はやる気が出てくるのではないかと思った。もちろん厳しい環境となるので、精一杯の努力が必要になるとは思うが、このような上司の元で働いてみたいと思う。
上司のような立場の人にも是非とも読んで頂きたい一冊である。