ときありも blog

~無気力な三十路公務員の雑記ブログ~

PL学園最強世代 あるキャッチャーの人生を追って(著:伊藤敬司、矢崎良一)を読んで

 

おすすめ度:★★★☆☆

 

 

本を読むきっかけ

 

 

今月に読む本を探すために立ち寄ったBOOKOFFでこの本と出会う。背表紙の「PL学園最強世代」という文字が見える。

 「PL学園最強世代」といえば、もちろん立浪和義氏の世代。このブログにも度々立浪氏の書籍が登場しているが、自分は大の立浪ファン。当然、気になるので手に取ってみると写真には車いすに乗った人とその周りに立浪氏とPL学園で同世代だった片岡氏などの姿が。その時点で購入することを決意した。

 

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 感 想

 伊藤敬司氏は、PL学園卒業後に大学野球・社会人野球でプレーし、引退後は社会人として懸命に働いていた。そんな時に、ALSに患ってしまう。

 

 自分はALSについて数年前に三浦春馬氏が主演のドラマ「僕の生きる道」をきっかけで何となくは知ってはいた。段々と筋肉が思うように動かせなくなっていき、将来的には呼吸ができなくなってしまい死に至る。治療法は確立されておらず、基本的には3~5年程度で亡くなってしまう。

 これぐらいの知識しかなかった自分ではあるが、本の中で伊藤氏がALSを患ったことを初めて読んだときは言葉にならない思いが込み上げてきた。

 

 病気になってしまった彼の家族などの周りの人の生活は一変してしまう。伊藤氏はALSという病気であったが、それがALSでなくともたくさんの人に協力してもらわなければ生きていけない状況になってしまうことも誰しもが秘めていると思う。もちろんそんな環境にならないことを切に願うが。

 そうなってしまった中で、それぞれがどのように感じ、どのような葛藤があるのかが読み進めていくと感じることができる。

 

 本の中にも書かれていたことであるが、働きたいのに働くことができない人がいるのに、中途半端な気持ちで働いている人がいることに対して苦言を申されていた。本当にその通りだと思う。自分も中途半端な気持ちで働いている側の人間であるが、伊藤氏のような働きたいのに働くことができない人のことなど微塵も考えていなかった。

 

 

 病気にもならず、健康で生きることができている自分が、ただなあなあと過ごしていることにものすごく反省をした。いきなり考え方を100%変えることは難しいと思っているが、何事に対しても、今自分ができていることを幸せだと感じ、一生懸命に生きていかなければならないと強く感じさせられる本であった。

 

 

 伊藤氏は既に亡くなっているそうだ。自分にこのように感じさせてくださったことに感謝している。心からご冥福をお祈りします。