映画「火花」 感想
おすすめ度:★★★☆☆
|
先日、火花(著:又吉直樹)を読んだ感想を本ブログに投稿した。
菅田将暉、桐谷健太が出演したことで話題になった「火花」の映画版についても鑑賞したため、その感想を投稿します。
- おすすめ度 : 原作小説 << 映画
- ① 神谷の存在感が原作小説より小さい
- ② スパークスが原作小説より売れていない
① 神谷の存在感が原作小説より小さい
原作小説では、先輩神谷のキャラクターがかなり色濃く書かれていた印象であったが、映画版では様々なシーンでカットされていたような気がする。
特に印象に残ったシーンは、ベージュのコーデュロイパンツのくだり。原作では、コーデュロイパンツの話をしていた時に神谷は何も言わず、真樹の家にあるコーデュロイパンツを徳永が見つけるという内容であったが、映画版では神谷からそれを持っている旨のカミングアウトがあった。そのくだりの中には、神谷は服装などのお笑い以外は人を模倣する(興味がない)といった性格を少なからず現わしていたような気がしていたが、そこがカットされていることで、神谷の生活はお笑いに全精力を注いでおりそれ以外のことは興味なしといった神谷の性格が薄れているような気がした。
その他にも、徳永と神谷で過ごしたストーリーが多く削られている気がする。神谷の性格を表す大事なシーンもカットされているような気がして、映画と原作小説では神谷に対する感じ方が異なる印象を受けた。
② スパークスが原作小説より売れていない
原作小説では、スパークスは一時的ではあるがかなり売れた時期があった。徳永にしても、バイトなしで芸人だけの給料で生計を立てていた時期の話があったほど。しかし、映画版ではずっと売れない芸人だった。
その影響もあり、相方の山下から解散を持ち掛けられた際も納得しやすいものであった。その結果、スパークスの解散ライブに関しても夢中で観ることのできるシーンとなっているような気がした。
以上のように、原作小説と映画版とでは多少異なっており、又吉直樹氏と板尾創路氏とでは伝えたい内容も違うのだと感じた。自分の個人的感想としては、映画版の方が取っつき易く映画版をおすすめしたい。