ときありも blog

~無気力な三十路公務員の雑記ブログ~

地方公務員で5年間働いてみた感想

 

 公務員とはどんな職業なのか、どんな人たちが働いているのか等を5年間技術系の地方公務員として働いてみた感想を記したい。今後、就職を考えている人や公務員に興味がある人にとって少しでも参考になってほしいとの思いから書いていきます。

 

【自己紹介】

 大学卒業後、自動車会社へ就職し、電気自動車の設計・実験などの開発業務に携わる。3年間働いた末、将来のことを考え、父親が技術系公務員であったことなどもあり、身近に感じていた公務員への転職を決意。中部地方にある中核市にて、平成29年度に技術系(電気職)職員として採用される。入庁後は、下水処理場に配属され、主に機械設備や電気設備の修繕を発注する業務を行う。4年目に人事異動の関係で、下水処理場の更新工事を発注する部署へ異動。現在、その部署で2年目となり、日々業務に邁進中。

 

 

【入庁前の公務員に対するイメージ】

 入庁前に抱いていた公務員に対してのイメージは以下の通り。

 [良いイメージ]

  ・福利厚生が良い。

  ・サービス残業はない。

  ・基本的に残業は少ない。

  ・有給休暇が取りやすい。

 [悪いイメージ]

  ・お堅い人が多い。

  ・基本的に仕事へのやる気はなく、言われた業務以外を率先して行うことは少な

   い。

  ・縦割り業務で担当外のことはしない。

 

 

【働いてみた感想】

 ここからは、入庁前に抱いていたイメージと実際に働いてみて感じたことのギャップについて記載する。

 

 ①福利厚生が良い。

 この点については、概ねイメージ通り。ただし、公務員だから特別に良いというわけではなく、前職と比較してもそんなに大差はないように感じる。自分的にいいなと思うものは、2つ。

 1つ目は、旅行などの際に発生する宿泊費補助。時期にもよるが1人あたり2000円程度宿泊費が安くなる。全国各地に提携ホテルがあり非常に助かる。

 2つ目は、積立貯金制度。ざっくりいうと財形貯蓄に近いものだが、財形とは異なり、いつでも引出し可能。年利も普通貯金と比較するとよい。ただし、資産運用等と比較すると特別良いわけではないかも。

 

 ②サービス残業はない。

 これについては、イメージと大きなギャップがあった。在籍している課によって差があるものの、30分から1.5時間程度の場合は残業をつけない。ほぼ毎日このような状況なので、月単位で見ると大きな数字になる。前職は15分単位で残業がついていたので、余計に不満が大きい。

 

 ③基本的に残業は少ない。

 これも残業している課によって大きな差があるものの、イメージと大きな差があった。下水処理場時は、ほとんど残業がなかった(年間2,3時間程度)ものの、現在の課では、年度によって忙しさが大きく変わってくるが、昨年度は月平均20時間、今年度は月平均10時間程度。一昨年に至っては、月平均60時間以上であったと聞いている。ここで36協定を意識した人もいるとは思うが、特別条項の項目決めが実現不可能の設定をされている。よって、特別条項があってないようなものなので、36協定はあってないようなものと認識している。

 

 ④有給休暇が取りやすい。

 これはイメージ通り。当市では、年間26日配布されるが、自分は年間20日弱取得している。ただし、全然取れないと言っている同期もいるため課によると思う。また、法改正により民間企業は年に5日以上の有給取得が必須となったが、公務員は努力義務。そのため、5日も取得できない場合もあると考える。

 また、休暇の取得は1時間単位で取得できるため非常に便利だと感じている。

 

 ⑤お堅い人が多い。

 これは、イメージ通りだと感じる部分もあるが、そうではないかもと思う時もある。人による部分が多いのでそのように感じるが、自分なりに分析すると、技術系職員はそこまで堅くないかと思う。事務系職員は真面目で堅い人が多い印象。また、民間企業から転職で入庁する人も多々いるが、その人達と比較すると新卒後に即入庁している職員の方が圧倒的にお堅いと思う。堅い人が悪いとも思っていないので、特に不自由は感じていない。

 

 ⑥基本的に仕事へのやる気はなく、言われた業務以外を率先して行うことは少ない。

 この部分も人による。働いてみた感想は両極端。やる気のある人は、ものすごくやる気を出している(ただし、仕事ができるかどうかは別物)。やる気のない人は、本当にやる気がない。自分もやる気がないタイプの人。やる気のない自分から見ているので、少しのことでやる気があるように見えてしまっている可能性はあるのであまり参考にならないかも。

 

 ⑦縦割り業務で担当外のことはしない。

 これはイメージ通り。市民対応に関してもそうだが、通常業務ですら、これは○○課の仕事だからと仕事の押し付け合い。自分たちで対応した方が早いのでは?と思うほどに押し付け合いに時間を割く。本末転倒感をものすごく感じる。残業をしなくてはならない要因の一部だと思っている。

 

 働いてみて最も嫌な部分を以下に示す。働く前にはイメージも何も想像もしていなかった内容のため、転職したことを非常に後悔するレベルである。

 ⑴災害時対応

 大雨災害時や地震災害時は、家族よりも公務優先。市役所職員として当然と考える方もいるかとは思うが、家族や大切な人を優先としたいと強く思ってしまう。幸いにも地震は発生していないが、昨今の大雨災害の頻発が非常に不安。

 また、災害とまではいかない大雨警報についても出勤となる。夜通し警報が発令している場合などは、徹夜での仕事。休日に遊ぶ予定を立てていても、警報が発令したら仕事になる。働いてみて知ったのだが、警報はそこまでの豪雨でなくても警戒を促す意味で発令される場合もある。税金の無駄使いではないかと思うこと多々あり。

 

 ⑵緊急対応

 インフラ設備の担当課であるため、土日などの休日に急遽呼び出されることあり。当番制を採用しているため、当番週の土日は外出することができない。自宅待機必須であるが、その間の給与は発生しない。呼び出しがあった場合は、勤務中の時間のみ残業代が出る。当番週においては、外出不可のため彼女へ負担を強いている気持ちがあり、申し訳ない気持ちでいっぱい。

 

【まとめ】

 ・福利厚生は標準~良い。

 ・サービス残業はある。

 ・残業は多い(課によって大幅に異なる)。

 ・有給休暇は取得しやすい(課によって大幅に異なる)。

 ・お堅い人は多いが、不自由に感じるほどではない。

 ・やる気ある人、ない人が両極端。

 ・担当外の業務は絶対に行わない(効率度外視)。

 ・災害時対応や緊急対応などプライベートより公務を優先すべきとの考えが強い。

 

 以上が公務員に転職してから感じたことです。転職しなければ良かったと思う時ももちろんありますが、転職して良かったと思う時もあります。今後、公務員に就職したいと考えている方にとって少しでも参考になればよいと思います。しかし、上記のことは自分が感じたことですので、他市ではそんなことはないかもしれません。就職する前に色々と調べてみることをおすすめします。